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- Support Station for Nurturing Living Things Study -
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*作物名はカタカナで
よくある質問と回答
キュウリの収穫のタイミングについて
キュウリは元々,未熟な果実を収穫して食べる野菜ですので,完熟に向かってどんどん大きくなろうとします。
着果し果実が成長するスピードはとても速いので,一日一日が勝負です。スーパーで売られているサイズになったら,すぐに収穫しましょう。収穫すると次の果実がまた成長してきます。
ちなみに,そのまま果実が成長すると50cm程度になり,黄色に完熟します。
こちらの動画内で詳しく説明していますのでご確認ください。【そだててみよう(やってみよう)動画 キュウリの一本仕立て(収穫と子づるの管理)】
水をやりすぎてしまう。
種まきや苗の定植の後のしばらくは、植物にしてあげられることが草取りと水やりだけになることも多く,世話をしてあげたいという気持ちで水やりが過剰になってしまうことがあるのではと思います。
「根っこも呼吸をしてるから水だらけになっちゃうと息が苦しくなっちゃうんだ」というような指導をしてみてはいかがでしょうか。
ただし、畑での栽培と,プランターなどをつかった容器栽培で対応は変わります。
畑の場合,目安としては晴れた日に1㎡あたり3リットル程度、曇りの日には1㎡あたり1リットル程度が畑から失われると想定すると、やりすぎを防げるかもしれません。
また、生育に伴い根は伸長して地下から水を吸えるようになりますので、ある程度大きくなったら「表面が乾いているな」という時以外は水やりをしなくていいと思います。
一方、容器栽培では容器にためて置ける水の量に限界があります。
水はけのよい土を使っている場合は下部から速やかに排水を行えるため、湿害が極めて起こりづらいことから、水のやりすぎを警戒する必要はないと思います。
容器栽培で水をやりすぎると,土の中の肥料が外へ溶け出てしまうことも多いですので,追肥が多く必要になることもあります。
学校で,水をこまめにやり過ぎて,肥料不足になっているプランターをよく見かけます。
畑の水はけをよくしたい。
有機物を積極的に入れて土の構造の団粒化を目指すことが重要です。植え付けを急ぐのであれば,もみ殻を相当量入れて混ぜ込んだり,高めの畝の上で育てたりすることが有効です。
また,雨の後に水がたまらないように,水の抜け道(水路)を掘って,畑の外に水を出す工夫が大切です。
もし,時間があり,オフシーズンに畑を休めることができるのであれば,雑草をつかった土づくりをおすすめします。
雑草を集めて枯れ草にしておき,畝を高めに盛った上に草を重ね(7kg/m2程度),その上に草が隠れる程度に軽く土を載せます。
その上から夏場は白色マルチ,それ以外は黒マルチで表面を覆って雨を防ぎます。
そのまま5ヶ月以上放置すると自然に糸状菌が中心となって草を分解し,団粒構造の土ができます。この方法は現在さらに研究をすすめているところですので,このシステムでもしっかり報告したいと考えています。
日当たりが悪い畑で育てられる作物を知りたい。
日当たりは重要な条件ですが,作物よってその反応が異なることが知られています。以下,参考までに示します。
●日当たりのよい場所を好む作物
トマト、ナス、ピーマン、キュウリ、スイカ、メロン、カボチャ、トウモロコシ、タマネギ、ダイコン、ニンジン、カブ、ハクサイ、キャベツ、マメ類、ブロッコリー、カリフラワー、イネ,ムギ類
●日当たりが悪くても耐えられる作物
ホウレンソウ、ネギ、ニラ、シュンギク、レタス、サラダナ、コマツナ、ジャガイモ、サトイモ、サツマイモ,パセリ、セルリー
●日当たりの弱いところを好む
ミツバ、セリ、フキ
スイカの収穫時期について (収穫し,切ってみたら真っ白だった)
収穫時期が早い場合にそうなります。スイカに限らず、収穫時期の目安を調べておきましょう。
スイカの場合、巻きヅルが枯れてきたころが目安です。受粉して着果したときに,その日付を書いたラベルを付けておくと良いです。
また,収穫適期に外敵に先を越されることも多いです。カラス等に注意しましょう。テグスを張り巡らすのも良いですが,スイカの場合は,実の上にカゴやザルをかぶせておくのが,一番効果的です。
スイカが成長しなかった。受粉が上手くいかなかったのか?
ウリ科作物のスイカ、メロン、カボチャ,ズッキーニなど雌雄異花のものは、放っておいても昆虫のおかげで受粉することもありますが、念のため人工授粉を行うことがおすすめします。
朝9時ごろに花粉を出している雄花を探して摘み、雄しべを雌しべの頭にこすりつけます。
サツマイモの葉が茂っていたが、イモが収穫できなかった。
サツマイモ栽培特有の「つるぼけ」という現象です。
土壌中の窒素分が多いとき、茎葉ばかりに栄養が回ってしまい、収穫器官が太ってくれないという現象です。
他の作物よりもかなり窒素量を落として施肥をする必要があります。栽培には,有機質のたい肥などを加えてミネラルは補給しつつ,「根肥」と呼ばれるカリウム肥料を積極的に与えて栽培するとよいです。
レタスの栽培で、葉がまいてきたころにより大きくなるのを待っていたら高く上に伸びてしまって収穫できなかった。
おそらく,トウ立ち(花芽形成)をしてしまったのだと思います。
レタスは典型的な長日作物なので,日が長くなる(正確には,暗期が短くなる)と花芽を分化し始めます。これをトウ立ちといいます。
トウ立ちをし始めると,結球(葉が巻き,丸くなる)は止まり,その後,新しい葉は小さくなり,節間が伸びて急激に縦に伸長し,最終的に花が咲きます。
冬至をすぎで日が長くなりだすと反応が起こりはじめますので,収穫は早めに行う必要があります。
ちなみに,レタスはキク科なので,最終的には地味ですが,薄黄色の小さい可憐な花が咲きます。実際に栽培をしていないと見られない貴重な花です。
プランター栽培のキュウリがなかなか大きくならず、トマトは酸っぱくなってしまった。どうしたらいいですか?
プランター栽培の難しさは,水管理と肥料の施し方です。それは,水を蓄えられる量が容器の中の土の量に依存するからです。
まず,野菜の栽培にはできるだけ大きな容器を使います。花用の浅めのプランターは適しません。
また,キュウリは多めの水が必要になりますが,やり過ぎると土の中の肥料分が流れ出し,肥料不足になります。
市販のプランター用の土は,排水性が優れるように配合されていますので,こまめに水をあげる必要がありますが,一方で追肥も十分に行う必要があります。
一方,トマトはキュウリに比較して,水は少なくてもかまいませんが,日当たりが必要です。
酸っぱい原因は果実の成長の仕方にあると予想されますが,もし,果実が葉の陰になっていたら,しっかり日が当たるように葉を取り除くなどの作業も必要になります。
また,水が多いことで,水分で果実が太ってしまい,光合成産物(糖分)の濃度が少なく,それが酸っぱく感じる原因になっているかもしれません。水を少し控えめにすることが味の濃いトマトを作る秘訣です。
タマネギの苗の定植時に,倒れたり,カラスに引き抜かれたりしてなかなか活着がうまくいかず,大きく成長しない。
タマネギの苗は,定植時に,倒れたり,カラスに引き抜かれたりすることがあります。倒れていても自分で起き上がって成長できることが多いですが,カラスに抜かれたり,倒されると後々の成長に大きく影響してしまいます。
苗の定植の後は,畝の両サイドに支柱を立て(対面で3箇所くらい)それぞれにテグスを張っておきます。テグスはできれば黒色が良いです。(透明なテグスはすでにカラスは学習されてしまっていることが多いです。)
カラスは,自分の羽が何かに触れることをとても嫌います。黒いテグスはカラスには見えにくいので見破られにくく,張られている場所を警戒して良いつかなくなります。
この方法は,トウモロコシやトマトにも効果大です。お試し下さい。
また,タマネギの栽培では追肥のタイミングが重要です。遅れるとうまく肥大しません。地域(収穫時期)によってタイミングも変わりますので,よく調べて確実に行って下さい。
最近は,ゆっくり溶けて長く効き,元肥だけて良い肥料(一発型)がよく使われています。ホームセンターの園芸コーナーでも売っています。